だいすきな人
―3年前―
私は、高校3年だった。
受験生だし、すごく切羽詰まっていた。
学校の先生も塾の先生もお母さんもいつもピリピリしていてどこにも安らげる場所がなくて辛くなっていた。
“息抜きも大事だよ!”
なんて考えて学校が終わってから塾の時間まで私はいつも家に帰らずに、塾の近くにあるカフェにいっていた。
そのカフェは個人営業で、失礼かもしれないけれどお客さんは常連さんぐらい。
店内も広い訳ではなくカウンター席しかない。
私は、いつもマスターと話して私は時間を潰す。
マスターみたいなお父さんがいたら私も家でもっとのびのびできたんだろうな…。