だいすきな人
―カランカラン
カフェのドアを開ける。
そうすると、コーヒーカップを拭いているマスターが一言。
「おかえり、まーちゃん」
「ただいまー」
マスターは私のことをまーちゃんと呼ぶ。
もうすっかり常連さんになった私は椅子に腰掛ける。
そうすると目に写ったのは若い男のひと。
初めてみる顔だった。
私にとって唯一の落ちつける場所のカフェだけど、常連さん以外あまりこないからか凄く居心地が悪く感じた。
そして私は、いつものように指定席であるマスターの向かえのカウンター席に腰掛ける。