私の好きな人 私を好きな人
その日、私たち新入生は、体育館で三回生の先輩に、サークル内の掟についても教えてもらっていた。


『サークルの中にはね、未成年にもお酒を飲ませるサークルがあるのよ』
三回生の美樹先輩はそう言って顔をしかめた。

私はやっぱり都会は恐ろしい…と震える。

美樹先輩はそんな私に優しく微笑む。

『でも、うちのサークルでは、それは絶対に禁止!もし違反したら、即退部ね。そのかわり、ハタチになったら、誕生日パーティーを開いてみんなでお祝いしてもらえまーす。パチパチパチー』

『それ、すごく素敵ですね』
麻衣が目を輝かせる。


『ね、だから、ハタチまではお酒は我慢してね。少年少女たちよ。』

私や麻衣を含めた、九人の新入生たちは、
『はーい』
と元気よく答える。

『それからね、飲み会の帰り、女の子は一人で帰らないこと。かならず、同じ方向の子と帰ること。もしいない場合は一馬に報告すること』

新入生のうち、五人の女の子たちは、
『はーい』
とまた元気よく返事をする。


『それからね、サークル内の恋愛ですが…』

『美樹ーーー』

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