私の好きな人 私を好きな人
30人ほどのメンバーでいつもの居酒屋さんへ行って、さんざん盛り上がったあと…。




『じゃあ、女の子は誰かと一緒に帰ってね。みんな、一緒に帰る人、いる?』

美樹先輩の声に、私は途方にくれていた。

居酒屋から出てきたみんなは、同じ方向の何人かで固まって帰っていく。


今まで一緒に帰っていた女の先輩が、夏休みに海外に留学してしまって、私は一人になってしまったのだ。



『紗耶香ちゃん…、あ、そっか、今まで亜紀と一緒だったんだっけ?』


一馬先輩が気づいて声をかけてくれた。


『そっち方向、誰もいないんだよね。うーん…じゃあ…』


一馬先輩はキョロキョロすると、

『蒼太!お前、これから紗耶香ちゃん担当な』

勝手に決めてしまった。




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