私の好きな人 私を好きな人
『えっ!?いいです、大丈夫です。』


私がそう言っても、一馬先輩は、
『サークルの女の子になにかあったら、大変だから』

と言って聞かない。


『蒼太、頼むな』

蒼太先輩の肩をポンと叩くと、美樹先輩と手を繋いで帰ってしまった。


私は、きまずい思いで、そっと蒼太先輩を見上げる。


居酒屋の前には、もう私と蒼太先輩しかいない。


蒼太先輩は、何を考えてるのか、首の後ろをかきながら、黙っていたけど、しばらくすると、
『どこ?』
と聞いてきた。


どこ?って何が?


私は意味がわからず、ボーッとする。


『…どこ?うち』


あぁ、そう、
そうね、うちね。
それがわからないと、送ることも出来ないよね。
はいはい。



私が、自分の住んでるマンションの住所と名前を告げると、蒼太先輩は
『そ』
と短く言うと、スタスタと歩きだした。

え…?
ま、待って…。



私は慌てて追いかけた。




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