私の好きな人 私を好きな人
麻衣がいてよかった…。

居酒屋のお座敷は、40人ほどのサークルメンバーで貸しきりになっている。

私は盛り上がる先輩たちを見ながら、緊張していた。


居酒屋に来たのも初めてだったし、先輩たちはみんな、きれいでかっこよくて大人に見えた。



『し、新谷紗耶香です。よろしくお願いします。』

自己紹介が回ってきて、私は緊張しながらお辞儀をする。

『紗耶香ちゃん、よろしくー』
と声がかかって、少しホッとする。

隣では、
『石原麻衣です。よろしくお願いします。』
麻衣は早口で自己紹介すると、小さく
『緊張したぁ』
と言う。


私たちは顔を見合わせてニコリと笑った。
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