私の好きな人 私を好きな人
私は自分の生まれ育った島の名前を口にする。
きっと、きょとん、とされるだろうな。
そして、この会話は弾むこともなく終わるんだ。
あぁ、もっと有名な場所なら良かった。
有名なゆるキャラがいるとか、総理大臣の地元とか…。
『ふぅん、遠くから来てんだな』
蒼太先輩の口から出たのは予想外の言葉だった。
私は、びっくりして、思わず、
『知ってるんですか!?』
大きい声を出してしまう。
『知ってるけど…』
『な、なんで知ってるんですか?』
『なんでって…。習っただろ、中学か…高校の地理かなんかで…』
そうなんだ…。
地理かなんかで習うんだ。
海産物がたくさんとれるし、周りにたくさんの諸島があるから、それで習うのかもしれない。
でも、そんなチラッと習うだけの島を覚えてくれた人がいたなんて嬉しい。
それが蒼太先輩だなんて…。
『初めて、知ってる人に会いました』
私は嬉しくてたまらなくて、そう言った。
『初めてってことはないだろ』
蒼太先輩の言葉に、首を振る。
『いいえ、初めてです』
ほんとは、今まで寂しかった。
みんながきょとん、とするたび、
『だよね』なんて笑っていたけど。
あんなに海や星がきれいな島を、私が生まれ育った大好きな島をみんなが知らないことが、寂しかった。
きっと、きょとん、とされるだろうな。
そして、この会話は弾むこともなく終わるんだ。
あぁ、もっと有名な場所なら良かった。
有名なゆるキャラがいるとか、総理大臣の地元とか…。
『ふぅん、遠くから来てんだな』
蒼太先輩の口から出たのは予想外の言葉だった。
私は、びっくりして、思わず、
『知ってるんですか!?』
大きい声を出してしまう。
『知ってるけど…』
『な、なんで知ってるんですか?』
『なんでって…。習っただろ、中学か…高校の地理かなんかで…』
そうなんだ…。
地理かなんかで習うんだ。
海産物がたくさんとれるし、周りにたくさんの諸島があるから、それで習うのかもしれない。
でも、そんなチラッと習うだけの島を覚えてくれた人がいたなんて嬉しい。
それが蒼太先輩だなんて…。
『初めて、知ってる人に会いました』
私は嬉しくてたまらなくて、そう言った。
『初めてってことはないだろ』
蒼太先輩の言葉に、首を振る。
『いいえ、初めてです』
ほんとは、今まで寂しかった。
みんながきょとん、とするたび、
『だよね』なんて笑っていたけど。
あんなに海や星がきれいな島を、私が生まれ育った大好きな島をみんなが知らないことが、寂しかった。