私の好きな人 私を好きな人
『人におごってもらうA定食は、まじでうまい』


そう言いながら、蒼太先輩は本当に美味しそうにA定食を食べ終えると、向かいに座ってまだ食べてる私のからあげを見て、

『それ、くれ』

と言う。


『いやです』

私はからあげを急いで食べる。


蒼太先輩の横に座った隼人先輩は、ラーメンをすすりながら、
『おごってもらったうえにおかずを狙うな』
と叱ってくれた。



食べ終えて、返却口に食器をトレイごと乗せると、先輩は、
『また明日ね』
となぜかかわいく言う。


『あ、明日もですか!?』

『もちろん。俺、一週間な、って言っただろ』

『う…』


そう、
確かにそう言ってた。

でも、そうは言っても、一日だけで許してくれるかなー、なんて…

甘かった。


蒼太先輩は、
『ご馳走さま』
と私の目線まで屈んで、私にそう言うと、


『満腹満腹…』
と言いながら、行きかけて、


『あ、お前さ、アドレス教えろよ』
と戻ってきた。


『ア、アドレス?』

そんなことを聞かれるなんて思わなくて、私はすごく嬉しくなってしまう。
顔、赤くなってないかな…。


『そ、逃げた時に、連絡する用』




そうですか…
がっくり…。

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