私の好きな人 私を好きな人
蒼太先輩と私の距離はぐんと縮まった。


最初は名前すら覚えられてなかったのに、今では…まぁ、豆ではあるけど、一応名前で呼ばれているし。


それに…

『ぷっ、鬼?確かにね。でも、蒼太って紗耶香ちゃん以外の子とはやっぱり話さないよね』



そうなんだ。

蒼太先輩は相変わらず、私以外の女の子とは仲良くせず、男友だちとばかり盛り上がっている。

『紗耶香ちゃんは蒼太の特別だから』

美樹先輩はふふふ、と笑いながら言った。



蒼太先輩の特別。




私はそのポジションを気に入っている。


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