私の好きな人 私を好きな人
3−1で試合に勝利し、いつもの居酒屋でいつも以上に盛り上がったあと、私と蒼太先輩は二人並んで歩いていた。


先月、誕生日を迎えた蒼太先輩は、先輩たちとビールをたくさん飲んで少し赤い顔をしている。


白い息を吐きながら、私は蒼太先輩に聞く。



『一人暮らし、してるんですか?』

『してるよ』


『実家はどこですか?』

『隣の県』


『兄弟は?』

『兄貴が二人』


『アルバイトはいつからしてるんですか?』

『大学に入ってすぐの頃から』


『いつも、ヘッドフォンで何を聞いてるんですか?』

『今度、貸してやるよ』




私のこと、
どう思ってますか?




その質問だけ、口に出せない。


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