私の好きな人 私を好きな人
目の前の先輩は、きょとんとした後に、ものすごく申し訳なさそうな顔をした。

確か、この人の名前は…
私はさっき聞いたはずの自己紹介の記憶を引っ張り出そうとする。


あ、思い出した。
確か、前の部長さんで、名前は…

私は瞳を右、左と交互に動かしながら必死に思い出そうとした。


その時に、お座敷の奥から、すごく大きな笑い声が聞こえてきて、私は思わずそちらに目をやる。


五人くらいの男の人たちが、何か話しながら、ものすごく盛り上がっていた。

まるで、中学生みたい。


その中で、一番大きな口を開けて笑っている人がいた。


それが、彼だった。


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