私の好きな人 私を好きな人
講義が終わると、そのままバイト先に向かった。


途中のコンビニで、久々にチョコビスケットを買って。


さすがに、そろそろちゃんと食べないと、体がもたない。


今日は、ハナとクローズだし。


『おはようございます』

スタッフルームに入ると、店長とハナがいた。


『ハナ、もう来てたの?早くない?』


ハナは五時からのシフトなのに、時計の針はまだ三時過ぎを指している。



『こいつな、スタッフルームが落ち着くねんて。最近、入り浸りや』

店長がハナを見てニヤニヤと笑いながら言った。


『え、私と一緒じゃーん』

『お前ら、家賃払え』

私は店長を無視して、ハナの頭をなでなでする。


『あれ、なんかいいことありました?』

ハナに言われて、私は、

『え?なんで?』

ととぼける。


好きな人がいて浮かれています、なんて後輩に知られるわけにはいかない。


『いや…なんとなく』


ハナは鋭い。


私は話をそらす。



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