私の好きな人 私を好きな人
初めてバイクに乗せてもらった日から、一ヶ月の間に、私は三回もバイクに乗せてもらった。
いつも行くのは、山上の見晴台だった。
夜だったら、夜景を見るカップルでいっぱいなんだろうけど、昼間の見晴台は驚くほど人が少ない。
私たちは、見晴台から下を見下ろして、
『大学はあれかな?』
『あの丸い建物はなんでしょうね?』
と、そんなことばかり話した。
小さく見える町は、まるで知らない町みたいに見えた。
私たちは、周りから見たらどう見えるのかな…。
私と蒼太先輩の間には、いつも40センチくらいの隙間があって、磁石のS極とS極みたいに、その距離を縮めることが出来なかった。
バイクに乗ってる時以外は。
『さやえんどう、今年の合宿どうすんの?』
景色を見ていた私に、蒼太先輩が聞く。
『今年は行くつもりです』
私がそう言うと、蒼太先輩はニヤリと笑って、
『いっぱい飲まして、いたずらしよっと』
と言った。
…なんかやらしいんですけど…。
私がドキドキしていると、蒼太先輩が、
『また、にゃんにゃん言うかな』
と言って大笑いした。
いつも行くのは、山上の見晴台だった。
夜だったら、夜景を見るカップルでいっぱいなんだろうけど、昼間の見晴台は驚くほど人が少ない。
私たちは、見晴台から下を見下ろして、
『大学はあれかな?』
『あの丸い建物はなんでしょうね?』
と、そんなことばかり話した。
小さく見える町は、まるで知らない町みたいに見えた。
私たちは、周りから見たらどう見えるのかな…。
私と蒼太先輩の間には、いつも40センチくらいの隙間があって、磁石のS極とS極みたいに、その距離を縮めることが出来なかった。
バイクに乗ってる時以外は。
『さやえんどう、今年の合宿どうすんの?』
景色を見ていた私に、蒼太先輩が聞く。
『今年は行くつもりです』
私がそう言うと、蒼太先輩はニヤリと笑って、
『いっぱい飲まして、いたずらしよっと』
と言った。
…なんかやらしいんですけど…。
私がドキドキしていると、蒼太先輩が、
『また、にゃんにゃん言うかな』
と言って大笑いした。