私の好きな人 私を好きな人
夏休みになった。

私は、朝から晩までバイトに明け暮れた。

今年の夏休みは、長く休みが欲しかったから。


お盆には久々に実家に帰りたいし、合宿にも行きたいし。


二週間と少し、休みたい、と店長に言うと、


『お前がそんなに休んだら、店がつぶれてしまうやないかぁ…』
と大袈裟に言いながらも、
『まあ、いつも頑張って入ってくれてるしな。ハナに働かすわ』
と言ってくれた。


ハナは、私が休みをとると伝えると、
『はぁい…』
とふてくされた。


いつもは、
『はい!』
と返事をするハナが珍しい。



『新谷さんいないと、つまらない』
そう言ってふくれるハナがかわいくて、私は、
『お土産、買ってくるからね。』
とハナの頭をなでる。

店長が、
『俺にもお土産な』
と言ったのは、スルーした。



『お土産はいらないから。新谷さん、早く戻ってきてください』


『俺はお土産いる』


『……』


私は、ハナのつんつん頭をもう一度、なでなでしていた。
ハナが、本当に寂しそうな顔をしていたから…。



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