私の好きな人 私を好きな人
島の空みたい。
私と麻衣はバーベキューしていた場所から、宿舎を挟んで反対側の芝生に寝転んで星空を見ていた。
高原だから、星がよく見える。
麻衣は何もいわず、ずっと泣いてる私の背中をさすってくれた。
ようやく泣き止んだ私と麻衣は並んで、星を見ている。
『私ね…』
星を見つめたまま、私は話し出す。
『最初は蒼太先輩に名前も覚えてもらってなかったの…。一緒に帰ってても、一言も話せなくてさ』
『うん』
『でもね、名前で呼んでもらえたり、バイクに乗せてもらったりしてね…だんだん、欲張りになるんだよね』
『うん』
『最初はそばにいれるだけでしあわせだったのにね。』
『そうだね』
『妹なんて言われちゃった』
『…うん』