私の好きな人 私を好きな人

さよならの時

それはあまりに突然のことだった。


『お疲れさまです』

休憩でスタッフルームに入ろうとした私は、ちょうどスタッフルームから出てきたハナとぶつかった。


『あっ、ハナ!来てたの?てか、もう帰るの?』

『あー…、はい。新谷さん、お疲れさまです』

『お疲れさま』


ハナ、シフトでも出しにきたのかな?


ハナを見送って、スタッフルームに入ったとたん、店長が困った顔で私に言った。


『新谷ー、ハナがなぁ、バイトやめるって言うねん』

その言葉を聞いた瞬間、私は制服のまま、スタッフルームを飛び出していた。



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