はじめまして。って。
前編
ある所に１つの花。

その場所の周りは木と草が生い茂る。でも、他には何もない。一見すれば何も感じない。通り過ぎてしまうだけの場所である。
でも、そこには毎日訪問者が現れる。
今日の訪問者は、ご飯を食べた後だろうご機嫌な猫が花の隣でごろごろとしている。昨日は狸が変幻の練習にやって来て花にどうだと聞いていた。その前は狐とリスが喧嘩をしていて花が宥めていた。

「寒いですね。」
「そうだね。」

花が猫に話し掛けます。
猫は返事を返します。
すると、猫はニコーっと可愛い笑みを浮かべました。

「今日は会えましたか?」
「うん!会えたよ!今日は塩抜きをしたちくわを貰った!!」
「それは良かったですね。美味しかったですか?」
「うん!とっても!!」

猫の尻尾はゆらゆら揺れます。それだけ今日の機嫌はいいのでしょう。さっきほどまで隣でごろごろしていたのに、今は話がどんどん続きます。花はゆっくりとでもしっかりと相槌をしていく。猫はそれもまた嬉しいのでしょう。可愛い笑みがまた光輝いています。
< 1 / 2 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop