思いよ、とどけ
目が覚めると、辺りは暗かった。


あぁ、もう、死ぬんだって思った。


「浩太、目覚めた?」


「うん」


あの事故以来、おかあさんとは連絡がとれてない。


「浩太、もう、治療しないか?」


「いや、絶対いや。」


「まぁ、強制的に入院してもらったけどさ」


「うん」


名前は確か……頭蓋内圧亢進だったとおもう。


もう、治らないと思われる。



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