思いよ、とどけ
なんで…何で僕なの?


もっと、幸せになりたかった。


病室に戻ると、ベッドに入る。


「もっと…幸せになりたかった。」


ゲホッゲホッ…ゲホッ…………オエッ…


お腹に抱えられたバケツはどんどん重くなる。


「浩太…入るよーって…大丈夫か?」


優しくさすられる。


「今日の夜からもうしよか…」


「うん……」


口に酸素マスク、腕には点滴。
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