思いよ、とどけ
涙か雨粒かわからない顔の水滴を袖で拭いて、


階段をかけ上がった。


ホコリの被った部屋を久しぶりに開けた。


和美ちゃんとのアルバム写真がおいてある部屋。


そして、窓をのぞくと和美ちゃんの家が見えて、


家を出ると、すぐにわかる部屋。


僕はそこでずっと待っていた。


帰ってくる和美ちゃんを…


待っていた。


「ねぇー浩太~!昼御飯だけど~」


「まってーすぐ行く~!」
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