Strawberry DROP 新連載スタート
美沙達がいなくなるなら私も帰ろうっと

「じゃあ、送るわ」

送るって私を?

「大丈夫。一人で帰れるから」

「家どっち?」

だから…

一人で帰るし、しかも二人っきりなんてだめだよ

あそこでだってろくにしゃべっていないのに…

「ほんとに大丈夫だから」

と言った龍之介くんは冷めた瞳で私を見ていて…

「だから家どっち?」

私の話なんて聞いちゃいない

「駅から…」

話し出した途端、龍之介くんはさっさと歩き出してしまった

「ま、待って」

龍之介くんは背が高いためか歩く小幅も大きく、私がいつも歩くペースでは追い付かず、必死になって龍之介くんの後ろに着いて行った

駅に着くと

「どっちから乗るの?」

「ここからは一人でも大丈夫だから。送ってくれてありがとう」

素直な気持ちでありがとうと私は言った

龍之介くんを見ると私の顔をじっと見つめていて

「好きなんだ」

えっ?

この帰宅ラッシュのざわめく人混みの中、私は改札口の前で口を開けたまま呆然と立ちすくんでいた



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