Strawberry DROP 新連載スタート
「何かあるから俺を見てたんだろ?」

す、するどい

私が見ていたの気付いてたんだ・・・

「どうして私なの?」

思わず聞いてしまった

でも聞いておきながら恥ずかしくなり

「答えないで。やっぱり今の聞かなかったことに」

「入学式の時」

しゃべっていた途中で龍之介くんが口を挟み、突然歩くのを止めた

「桜の木を見上げていた姿を見たんだ」

「桜の木?」

入学式?桜の木?

あっ、思い出した

校門から校舎に行く途中、とても大きな桜の木があり、風に飛ばされる桜の花びらを見ていた

でもそれがなぜ・・・?

「きれいだったんだ。桜の花びらが舞う中にいるあんたの姿が・・・」

言われた瞬間、あの日の桜のように私の頬がピンク色になっていくのが分かった

だってそんな姿を美化しているなんて・・・

私、そんな綺麗なもんじゃないよ



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