Strawberry DROP 新連載スタート
私はもう何も言わず、掴まれた腕を預けたまま歩いていた

並んで隣を歩けないこの距離を縮ませることはできない

彼女専用の隣はこの先私が歩くことはない

一歩後ろを歩き掴まれている腕を見て、上條蓮の背中へと目を移す

こんなに広い背中しているんだ・・・

よく考えたら私は、上條蓮のことは何も知らない

同じ中学校でもないし、クラスも一緒になったことがない

ただ偶然何度も遭遇して・・・

それだけなのに、私と上條蓮は今こうして二人でいる

ちょっと長めの茶髪が風に揺れるたびに私はドキドキする

なんでもいい

上條蓮のことが知りたい




< 44 / 50 >

この作品をシェア

pagetop