Strawberry DROP 新連載スタート
「帰る」

「ちょっと待てよ」

私が立ち上がると上條蓮も立ち上がった

「嘘じゃないから」

「信じない。あんたのことなんて信じない」

だって・・・

やっぱこの恋は叶わない

こんな半端な奴を信じることができない

まして今も彼女と続いてる

あっちがだめなら私だなんて都合よすぎる

「本気になったことないくせに」

あっ・・・

思わず私は自分の口を塞いでいた

上條蓮は・・・

とても悲しい顔をしていた

言ってしまったことに複雑な気持ちになり小走りで土手を登って逃げていた

いつも上條蓮から走って逃げる

どうしていつもこうなんだろう

どうして笑って「じゃあね」ってならないんだろう

「待てよ」

「え?」

私を追い掛けて来た上條蓮が私の腕を掴んでいた

上條蓮の後ろに茜色の空が広がり、私は立ち止まっていた



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