Strawberry DROP 新連載スタート
「きれい・・・」

腕を掴まられていることを忘れ、夕焼けに見とれてしまい、思ったままの言葉が出ていた

私の見ている視線へ上條蓮も振り向き、

「すげぇ」

沈む夕焼けを二人でどのくらい見ていただろう

私は何も言わず、掴まれている腕も払わず・・・

それほど夕焼けは私達を虜にさせていた

「ちょ、ちょっと離してよ」

「やだ」

やだなんて子供じゃないんだから・・・

「痛いって」

上條蓮が私の腕を引っ張り歩き出した

私の足が絡み、転びそうになるのを自分で体勢を整え・・・

こういう強引さが私の心を捕らえたのかな・・・

上條蓮の後ろ姿をまた見ていた

私ったらまた何やってんだろう

結局またこうして腕を掴まれて一緒にいる

さっき上條蓮が言っていたことが頭を過った

「お前を見ると近寄りたくて、話したくて、もっと一緒にいたいって思うんだよ」

そう上條蓮は言っていた

それは本心?

本当にそう思っているの?



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