Strawberry DROP 新連載スタート
たんこぶができなかったせいなのか、痛みが残らなかったせいなのか、私はあの衝突のことなんてすっかり忘れていた

そしていつものように美沙とお弁当を食べている

「帰りカラオケなんてどう?」

美沙が卵焼きをつまみながら言った

「うん、暇だしいいよ」

ふと太陽が眩しくてカーテンを引こうと席を立った時だった

ドキッ

校庭で彼女と二人でお弁当を食べているあいつが目に入った

あ・・・

一瞬、目が合い慌ててカーテンを引き直す

ちょっとだけドキドキしている心臓の高鳴りを私はまだ何も知らない

だってあいつは私にとって一番嫌いな奴だから・・・

「どうした?誰かいた?」

「ううん。誰もいないよ」

なぜか咄嗟に隠した嘘

嘘付く必要なんてないのに・・・

そんな自分に疑問を抱きながらも

「でさ、どこのカラオケ行く?」

なんて私は話を逸らし美沙に聞いていた



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