薫子さんと主任の恋愛事情
嬉しさのあまり大登さんの胸に身体を預けるように寄せると、大登さんの身体がビクッと反応を見せた。
「なあ薫子。そういうことをしてると、襲うぞ」
「え? 何が? 襲うって!?」
跳びはねるように大登さんから離れると、隠すように自分の身体を抱きしめる。そんな私を見て大登さんは大笑いすると、ソファーにゴロンと寝そべった。
「冗談だって。でも、その気になったらいつでも言って。俺の我慢も、いつまで続くかわかんないし」
やっぱり我慢させてたんだ……。
そう思うと、ちょっと申し訳ないような気もするけれど。
寝そべっている大登さんに近づき、今の私にはこれが精一杯と自分から唇を重ねる。
「これでもう少し、我慢して下さい」
ペコリと頭を下げると、そこに大登さんの手が乗っかった。
「だからさ、そういうことすると我慢のタガが外れるって。ホント、薫子は可愛くて困る」
そう言って大登さんは自分の頭をくしゃくしゃっと掻き乱すと、バッと起き上がる。
「風呂入ってくるわ。薫子も一緒に、もういっぺん入ったりする?」
からかうように私の目を覗き込むと、ニヤリと笑ってみせた。