薫子さんと主任の恋愛事情
いつの間にかパジャマは脱ぎ去られ、肌を大登さんの指がなぞる。露わになった鎖骨をキツく吸われると、頭の中が痺れ思わず声が出そうになる。それを必死にこらえていると、口元を押さえていた右手を外されてしまった。
「我慢しなくていい。薫子の全部を知りたい」
「大登さん……好き」
絞り出した声は、大登さんの唇にかき消される。
「今おまえの前にいるのは、上司でも二次元のキャラでもない。おまえを愛してる、ただの男だ。いいのか?」
そう言ってギュッと抱きしめられた身体が、ゆっくり熱を帯びてくる。
「大登さんじゃなきゃ、もうダメなんです」
二次元の愛情しか知らなかった私に、本当のぬくもりを教えてくれたのは、大登さん、あなたなんだから。
身体中に降り注ぐ、キスの雨音。身体中に触れて快感を与えくれる、旋律を奏でる指先。
それは一晩中続いて、私の心と身体を溶かしていった。