薫子さんと主任の恋愛事情
せっかく買ってもらったのにタンスの肥やし状態だったワンピを取り出すと、それを持って洗面所へと駆け込む。そしてそれを、鏡に映る自分に当ててみた。
「そんなに悪くない……かな」
お世辞にも似合うとは言えないけれど、それほどひどくもない?
鏡に映る見慣れない自分に若干の違和感を感じつつ、でもいつまでも悩んでる時間はないと、このワンピを来ていこうと決意する。
「あとはこの上にジージャン羽織って、足元はスニーカーでいいよね?」
お洒落に無頓着な私だけれど、実は通勤用にとスニーカーだけは何足か持っていたりする。
最近も白地にストライプのラインが入った、ハイカットのレースアップスニーカーを買ったばかり。
パパッと化粧を直し服も着替えると、おろしたてのスニーカーを履く。
普段とは違う自分の姿が、大登さんの目にはどう映るのか心配なところだけど。下着姿を見られてしまったんだから、服を着ているだけマシだよね。
そんな論点がズレていることを考えながら、外で待つ大登さんの元へと急いだ。