姫は冷血王子の所有物
数分前。
ーーー・・・。
「それじゃあ、私はここで。送っていただいてありがとうございました。」
「は?何を言っているんだ?」
「へ?」
「すみません。俺もここで。料金は…」
目の前の部長は、なぜか財布を取り出して、お会計を済ませようとしている。
ん?部長ってこの辺が家なの?
あ、だからここで降りるのか。
そっかそっか。
一人納得して、私は背を向けて歩き出す。
「おい、ちょっと待って。」
けれど、慌てたように部長は追ってきて、私を引き止めた。
「な、なんでしょうか?」