姫は冷血王子の所有物
「何帰ろうとしてんの?」
「は?」
「いや普通送った上司にお礼の一言とかあるだろ?」
「あ、そうですね。ありがとうございました。」
サラリ。
そう言い返して、また踵を返して歩き出す。
されど、今度は腕を掴まれた。
「ちょっと待てって。酔い覚ましに、なんか食べるだろ?」
「は?」
部長はそばのコンビニを指差して、
「そこのコンビニでなんか買ってかないか?」
なんて言い出した。
「いえ、結構です!」
はっきり断って帰ろうとするけれど、腕が掴まれたままなので、帰るに帰れない。
「ほら、行くぞ?」
「ちょ、部長⁉︎」
ズンズンコンビニに向かって歩く部長に引きずられながら、私は慌てて歩く。