姫は冷血王子の所有物
「榊原部長は、休憩に入られるんですか?」
そんなことを聞いたのは、夏実。
こいつは、本当に場をもたせるのが上手いんだよね。
「あぁ…。そろそろ腹ごしらえする頃だしな。」
ふと、時計を見ると12時。
そりゃーお腹も空くよね…。
「私たちもお昼にしようか?」
そう言って立ち上がる夏実。
相変わらず決めるのが早いこと。
「うん、お腹も空いたしね。」
つられて私も立ち上がる。
「なら、僕たちと一緒にどう?」
にこやかな顔で私たちに聞いて来たのは、原田先輩。
「え…。」
「いいんですか⁉︎」
私の戸惑いとは裏腹に、嬉しそうな声を出す夏実。
「おい!何勝手に…。」
「まぁまぁ、いいじゃないか。翔樹だって、こんな可愛い2人と一緒に食事なら、いいだろ?」
「部長と呼べ。…まぁいいが…。」
「よし、決まりだ!近くに安くてオススメの店があるんだけど、そこでいいかい?」
「はい、それでお願いします。」
私が何も言わないうちに、着々と話が進んで行く。
なんでこんなことに…。