姫は冷血王子の所有物
目が覚めて、慌てて思考回路を通常運転に戻す。
その後すぐに帰る用意をして、逃げるように外へ出た。
「あっぶね…勢いで襲うとこだった…。」
まだ湯沸かし器のように熱い頭を冷やしながら、俺は帰宅する。
そして、家の鍵を刺したところで気がついた。
「あれ?」
鍵につけているキーホルダーがない。
高坂に出会った時、彼女にお揃いですねと言われ、その後後生大事にしているキーホルダー。
それがいつの間にかなくなっていた。