泣き顔に甘いキス








まだ何かブツブツ言っている愛ちゃんにヘラっと笑いかける。







「夏奈、次あいつらが来たらあたしが追い返すから」








長い足を組み替えながら、フッと笑った彼女。








あぁ、同じ女であることが嫌になりそうだ。









私なんか背がちっちゃすぎて、足も短いのに。









「…そ、それは遠慮しようかな。だって直ぐに諦めてくれるよね?私がマネージャーなんて出来るわけないって分かってるはずだもん」










もう一度無駄に足を組み替えようとした愛ちゃんは、口を開けてポカンとした。









もう、なんで間抜け顔ですらそんなに綺麗なんだろうか。










「……そっか。そうだったね。夏奈ってそうだった」









次にうんうんと一人頷き始めた愛ちゃん。









……まぁ、それに何が?なんて無神経な発言をする気は無い。









私が唯一人に褒められてきたこと______それは、顔だ。










「可愛いね」と、家族から、親戚から、ご近所さんから、友達から……。









色んな人から褒められてきた。








だから自分の顔がまぁそれなりに、愛ちゃんには程遠い行けど人並みに整っているというのは理解している。




























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