これが私の王子様
確かに、あのような生活を送っているのだから、心配されても仕方ない。
定期的にハナがやって来なければ、どのような生活をしているか、わかったものではない。下手したら、ゴミの中に沈む。
次々と悪い部分を指摘していく雅之に対し、和人は反射的に父親から視線を逸らしてしまう。
勿論、自覚はしている。
しかし、面倒なものは面倒。
だから、掃除は行わない。
料理も作れない。
息子の言葉に、雅之は嘆息してしまう。
雅之は相手を見極め――と言っていたが、息子の言動から「家庭的な女性」を選ばないといけないと考える。
家庭的な女性でなければ、和人と上手くやっていくことができない。
それにいつまでも、祖母には頼っていられない。
本当なら自分で自分のことをやらないといけないのだが、いかんせん和人は面倒と考えている。
それならそれを行ってくれる女性――と期待してしまうが、まるで家政婦を捜すようなもの。
そんなに、都合のいい相手はいない。