これが私の王子様

 和人の父親となれば、相当な地位にいる。

 そのような人物が、何故――

 ゆかは、混乱してしまう。

 唖然となっているゆかに和人は、自分がパーティー時に父親にどのような話をしたのか伝える。

 勿論、婚約の話は恥ずかしいので口にしないが、それ以外の話を聞き、ゆかの頭は真っ白になってしまう。

「駄目……かな?」

「本当に、宜しいのですか?」

「父さんは、いいって言っている」

「そ、それでしたら……」

「本当!?」

 和人の問いに、ゆかはコクコクと頷く。

 ゆかの反応に、和人は安堵する。

 これで父親に何かを言われずに済み、それに後のことは全て父親に任せてしまえばいいと考える。

 いや、それだけではない。

 日曜日実家に来る時は、食材を多く持って来てほしいとゆかに頼む。
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