これが私の王子様
「よし! 登録」
「私も、大丈夫です」
「気軽に、メールしていいから」
「気軽って……」
「他愛のない会話とか。あと、勉強でわからないところがあったら、教えるから聞いていいよ。で、日曜日の件は有難う。父さんは、強引というか何というか……水沢さんの気持ちも、考えてほしいよ」
「そ、そんなことは……」
「そう言うけど、もっと自己主張した方がいいんじゃないかな。それに、同年代に敬語っておかしい」
和人の指摘に、ゆかは自分が今まで敬語を用いて話していたことに気付く。
これは一種の癖であって、たとえ相手が同年代であっても敬語を使ってしまう。
また、大人しい性格も関係していた。
「御免なさい」
「どうして謝る?」
これもまた、ゆかの癖のひとつ。何かあるとついつい謝ってしまい、決して前に出ようとはしない。
今まで異性の友人、ましてや恋人ができなかったのも、これらが原因といっていい。