これが私の王子様

 ゆかはいつも以上に、真面目に授業を受ける。

 それによって一時的に気を紛らわせることができたが、休み時間に入ると気が滅入ってしまう。

 元気がないゆかに詩織が励ましの言葉を掛けるが、彼女の耳には殆ど届いていなかった。

 そのような状況の中、ゆかは最後まで授業を受けるが、精神は疲労困憊の状態になってしまう。

 そして帰宅途中も、何度も溜息を付く。

 突然、自身の身に訪れたのは、幸福か不幸か――

 全くわからない状況の中、運命の日を迎えた。


◇◆◇◆◇◆


 日曜日。

 ゆかは和人の実家に行く前に、スーパーに寄っていた。

 和人に料理を作る約束があるので、材料を買っていかないといけない。

 どのような料理を作ろうか迷っていたが、最終的に決定したのは肉料理。
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