これが私の王子様
「マ、マンション!?」
「そう、マンション」
「結城君って、マンションで暮らしているのですか!? あっ! そういえば、以前そのような……」
「支払いは、父さんにやってもらっているけど。マンションから通った方が近いから、暮らしている」
「す、凄い」
「勿論、セキュリティーは完璧だよ」
「そ、そうでした。結城君の家は、お金持ちで……いえ、そういう訳ではなく、一人で暮らせて……」
「一人暮らし、したいとか?」
「そのようなことをしたら、怒られます。お父さんは厳しい人で、ですから恋愛も駄目で……」
学生のうちが、学業を優先しないといけない。
が、ゆかの父親の考え。
本当は周囲と同じことをしたいが、それでは父親の機嫌を損ねてしまう。
それに今、高校の授業料も払って貰っているので、下手に口出しできない状況であった。
ゆかの話に、和人はお茶を一口口に含むと「束縛し過ぎ」と、ゆかの父親の悪い部分を指摘するのだった。