これが私の王子様

 仲間が集まる。

 そして、世界を牛耳ろうとしていた敵に打ち勝つ。

 最後は、本当の意味での大魔法使いとなる。

 という王道の話だが、それが面白い。

(結城君、喜んでくれるかな)

 これからのことを考えるだけで、心が躍る。

 その時、携帯電話がメールを受信したことを知らせる。

 送信相手は勿論詩織で、ゆかはメールを読む。


 良かったじゃない。


 が、最初に書かれていた文字。

 詩織もゆかが和人と上手くやってほしいと思っているのだろう、だから影ながら応援している。

 詩織は、和人から相談を受けている。相談の主な内容は、色目を使ってくる女子生徒達のことである。

 詩織は、彼女達がどのようなことを期待し近付いているのか知っているので、和人に同情してしまう。

 その中で現れたのが、水沢ゆか。
< 172 / 211 >

この作品をシェア

pagetop