これが私の王子様

 一番の大きな変化は着ている制服で、彼女がこれから通う学校は男女とも濃い青を基調とした制服で、袖口と裾の部分に水色のラインが入っている。

 それに首元を演出しているリボンは学年ごとに変化し、緑は二年生の証。

 ふと、ショーウィンドーに同じ制服を着た一団が映り込む。

 勿論、彼等が向かおうとしているのはこれから少女が行こうとしている場所と同じで、誰もが友人達と他愛ない会話を行っていた。

 中には今日行われるテストについて嘆いていたりと、それぞれが自由に学校生活を送っていることを知る。

「おはよう」

「おはよう」

「ねえ、今日の授業だけど……」

「マラソンよね」

「そう、最悪」

「それに、長距離よ」

「短距離がいいわ」

 何気なく耳を傾ければ、今日行われる授業の不平不満。ど

 うやら二人が在籍しているクラスは今日体育があるらしく、尚且つ内容がマラソン。相当この授業内容に不満を持っているのか、二人の不平不満は永遠と続く。
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