これが私の王子様
「そ、そう?」
「あと、きちんと計量しないと」
「それ、結構面倒なのよね」
「でも、計量しておかないと後で失敗に繋がるから。アレンジは、慣れてからの方がいいわ」
料理上手ともいえるゆかのアドバイスに、詩織はきちんと計量を行う。
しかし細々とした作業が苦手なのだろう、ひとつ図るごとに溜息を付く。そして全ての計量を終えると、体力の大半を使い果たす。
「お疲れ様」
「料理って、忍耐ね」
「かもしれない」
「やっぱり?」
「手の込んだ料理を作るとなると、キッチンから離れることができないから。でも、圧力鍋は便利」
そう言いつつ、ゆかは慣れた手付きで計量していく。詩織とは違い、どの材料も正確に測っている。
手抜きを一切しないゆかの姿勢に、詩織はただただ感心するしかできなかった。
「この後は、どうすればいいの?」