これが私の王子様
和人と直樹は友人同士であり、ライバル関係。
だからこそ、互いの点数が気になる。
流石、学年トップを争っている同士、数学の抜き打ちテストくらいでは動じることはなかった。
秀才と呼べる、頭のいい友人二人に薫は「羨ましい」と、ポツリと呟くのであった。
◇◆◇◆◇◆
放課後。
詩織は和人を屋上に呼び出す。
和人が呼び出されたことに、多くの女子生徒が一斉に反応するが、相手が詩織だったのでそれ以上何かを言うことはしなかった。
「詩織が告白することはない」という風に、彼女達から思われているからだ。それが幸いし、怪しまれずに和人を呼び出しすることができた。
「用事って?」
「これ」
「ああ、クッキーか」
「そう、ゆかの手作り」