これが私の王子様


 ハナは和人と一緒に暮らしているわけではないので、帰宅しないといけない。

 名残惜しそうに一階まで送ると、別れ際に「もっと、部屋の掃除をした方がいい」と、注意されてしまう。

「気が向いたら」

「いつも、そうなんだから」

 ちょっと困った素振りを見せるも、ハナの表情は穏やかだった。

 和人は祖母を見送った後、エレベーターに乗りいつもの階層へ。

 そして部屋に戻ると、腹が空いて中断してしまった勉強を再開する。

 だが、頭の片隅にゆかの料理が存在していた。

 祖母より美味しいのか。

 それにより、殆ど勉強に集中することができなかった。
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