君のための唄。
俺は田舎で連れ2人とバンドを組んでいた。

高校のダチで音楽が好きということで気が合った。

俺はギター&ヴォーカル。

それにベースの貴(タカ)とキーボードの智樹(トモキ)

活動といえば、もっぱらストリートライブだ。

最初はカバーしていたが、だんだん自分達の歌も歌った。

市内とはいえ、まだまだ人が少ない駅前。

その人たちも仕事帰りがほとんどで

足早に俺たちの前を過ぎていく。

それでも、俺は気にしない。

歌えるだけで、それで良かった。

貴のベースと智樹のキーボードが後ろから聞こえるだけで安心した。

毎日、毎日。

勉強もせずに、歌い続ける日々。

それだけで、幸せだった。
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