悲愛日記









そして私はオムライス、祐はハンバーグを注文した。








混んでいるので運ばれてくるにはまだ時間がかかるだろう。








「ホント、凄い人だねー」







お店の入り口で並んでいる人たちを一瞥する。








「人は多いだろーなーって思っていたけど、さすがにここまでとはな」








祐も私の視線の先をたどり、苦笑いした。









そして……







「来年はもっと人の少ないとこで過ごそうか」








そう、つづけた。








“来年も”








未来に続く言葉が素直に嬉しかった。









私は顔を真っ赤にして頷こうとしたとき_________。









「お待たせしましたぁーー!オムライスとハンバーグをお持ちしました!!」










タイミング悪く店員さんが、料理を持ってきてしまった。









「オムライスの方は?」









「あ、私です……」








「前失礼しますねー!」











だから、この時祐の言葉に頷けれなかったんだ。










風のように店員さんは去り、恐る恐る祐に視線を合わせる。








すると祐はさっきの言葉なんて、何気ない一言だったのか…。










「うまそー」と、料理に興味津々だった。










………まぁ、いっか。










なんて私も思って、「いただきます!」と美味しそうな料理を食べ始めた。













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