悲愛日記
そしてイルミネーション点灯の時間になった。
大きなツリーの周りにはたくさんの人が集まっている。
ざわざわと騒がしい。
私もこんな大きなツリーがどんな風に彩られるのか楽しみだ。
「では、みなさん!カウントダウンをお願いします!」
その時アナウンスがかかった。
「ご」
「「よん」」
「「「さん」」」
「「「「に」」」」
「「「「「いちっ」」」」」
「「「「「「ぜろーーーっ」」」」」」
会場の多くの人のカウントダウンと共に、ツリーに色が灯された。
「うわぁっ」
思わず感嘆の声が漏れる。
真っ暗な空間に突如浮かび上がった鮮やかな色たち。
赤、黄色、オレンジ、黄緑、緑………
様々な色がきらきら輝いている。
「きれい……」
見とれてしまうほど魅力的だった。
周りも同じようでさまざまな声があがっている。
そして流れてくる音楽。
幻想的、そんな言葉が似合う光景だった。
しばらくツリーに見入っていて、ふと祐の方を見た。
祐は……私を、見ていた。
柔らかい笑顔で。
ドキリ、胸が高鳴る。
ツリーの輝きが視界に入るものの、ツリーよりも強く引き付けられる祐。
そして___________。
ゆっくりと顔を近づけてきた祐と、唇が重なった。