悲愛日記
そのまま特に杏奈が男の子と雑談をしていた。
私は適当に相槌を打つだけ。
何でそんなに言葉が次々に出るんだろうって、爆笑している杏奈に少し尊敬。
その時、葉月くんが声を上げた。
「って、歌おーぜ。時間過ぎてるし」
その言葉にハッとして、周りも私たちもざわざわとなる。
「もー座ろうか」
名前の分からない男の子がこう言い、私達は指定された席に座ることにした。
そこに座って荷物を置いていると、葉月くんが来たようだ。
何やら分厚いメニューを持っている葉月くん。
そのまま何の躊躇いもなくドスンと隣に座った。
……ちょっと距離が近いけど。
右にずれようにも、右は壁さんで行き止まりだ。
つまり、距離が近いまんま。
緊張で心臓がどくどくとなる。
でもそう意識しているのは私だけなのか、葉月くんはメニューを開き始めた。
何冊かあるすべてを机の上にでかでかと広げている。
私はどうしていいか分からず、とりあえず葉月くんが見てるメニューを覗き込んでみた。