悲愛日記








そのまま特に杏奈が男の子と雑談をしていた。






私は適当に相槌を打つだけ。






何でそんなに言葉が次々に出るんだろうって、爆笑している杏奈に少し尊敬。







その時、葉月くんが声を上げた。










「って、歌おーぜ。時間過ぎてるし」







その言葉にハッとして、周りも私たちもざわざわとなる。






「もー座ろうか」






名前の分からない男の子がこう言い、私達は指定された席に座ることにした。






そこに座って荷物を置いていると、葉月くんが来たようだ。








何やら分厚いメニューを持っている葉月くん。







そのまま何の躊躇いもなくドスンと隣に座った。







……ちょっと距離が近いけど。







右にずれようにも、右は壁さんで行き止まりだ。







つまり、距離が近いまんま。








緊張で心臓がどくどくとなる。









でもそう意識しているのは私だけなのか、葉月くんはメニューを開き始めた。







何冊かあるすべてを机の上にでかでかと広げている。








私はどうしていいか分からず、とりあえず葉月くんが見てるメニューを覗き込んでみた。









< 11 / 132 >

この作品をシェア

pagetop