悲愛日記
するとやっとこっちに視線を向けてくれた葉月くん。
「……伊東さん、何かいいのある?」
そのことに更に胸がときめく。
「……んーと、えっと……」
葉月くんの視線を感じて、メニューに集中できない。
苦し紛れに最近伸ばし始めた髪を耳にかけた。
「あ、ピザなんかど………う……」
とりあえず目についたものを言葉にして、顔を上げた瞬間。
息が止まった。
いや、正確にいうと息を止めた。
葉月くんも私越しにメニューを覗き込んでいたのか、私が顔を上げた瞬間とても近くなったのだ。
………やばいやばいやばいやばい。
かぁーーっと恥ずかしくなって、咄嗟に俯く。
「ご、ごめんっ」
「う、ううん!私こそ、急に振り向いちゃったから…」
私、今どんな顔をしているんだろう。
それから少しお互い、なんて話せばいいか分からず無言でギクシャクとしていた。
でもみんな歌ってだんだんと盛り上がっていくうちに、会話が弾んでいきわだかまりみたいなものは消えていった。
でももう一つ大事件が発生。