悲愛日記
梅雨が明けた途端、グーンっと上がった気温。
汗をじんわりと掻いてしまう…。
臭くないかな?なんて汗のにおいを気にしつつも、今は杏奈と楽しくおしゃべり。
「この前ホラー映画行ったんだけどね?全然怖くなくてさぁー。」
「……私、絶対にホラー無理!」
「えー?面白いよ??」
内容は、あんまりよろしくないホラー映画についてだけど。
あんな怖いものをどうして杏奈は観れるのかと思い顔をしかめる。
「あんなのね、観たらね、絶対寿命縮んじゃうんだから!」
私の失礼すぎる態度に杏奈は顔をしかめることなく、なぜか目を輝かせる。
「やっぱり莉子可愛いーーー!ギューてしていい!?」
なぜそうなる。
いきなりテンションが上がった杏奈に、戸惑ったけど取り敢えずうなずいておいた。
するとギューっと飛びついてくる杏奈。
「可愛い、可愛い!ホント天使ーー!ホラー無理とか可愛すぎ!」
でも、これももうなれた光景。
杏奈に限らず、クラスの結構の女子は抱き着く癖があるようで、度々私に抱き着いて来る。
最初は戸惑ったけど、今はそれなりに耐性が出来た。